自己破産するとどうなる?

借金が返せないとき知っておくべきこと!


自己破産と聞くとあまり良いイメージはないですよね。自己破産は最後の手段と言われているので、人生も終わり!のような印象を持つ人も多いでしょう。

自己破産したなんて人に知られたくないですし、知った人は気の毒そうな目で見ます。

でも、それは自己破産について本当のことを知らないからでしょう。自己破産は経済生活をやり直すための手段でもあるのです。

デメリットは大きいですが、破産したら人生終わりなんてことはありません。

そんな自己破産について、体験を基に、借金の返済が困難になったときに知っておくべきことをお伝えします。

自己破産した後の生活はどうなる?

自己破産するとその後の生活が悲惨になるように思いますよね。

滅多に経験することではないので、自己破産してしまうまでは、その後の生活が不安になるのは当然です。

悲惨になるかどうかは、自己破産申立後の生活費が確保できているかどうかによります。

職を失わない場合

個人なら、自己破産しても職を失うことは殆どないので、給料が入ってきますよね。

申立後に得た収入は、差し押さえられることなく自由に使えるので、借金の返済が無くなった分、申立前より余裕ができます。

職を失ってしまう場合

自己破産することで職を失ってしまう場合は、当座の生活資金が必要です。

自己破産しても、20万円以下の預貯金と99万円までの現金は残せるので、それが確保できるうちに手続きすることです。

資金が底をつくまでに就職できれば、再スタートできますよね。

事業をしている個人や法人の代表者は、会社を倒産させると個人も自己破産することになり、同時に職も失うことになります。

事業をやっていると、借金しながらでもなんとか立て直そうと、ギリギリまで頑張ってしまうので、自己破産するケースが多いです。

持ち家がある場合

持ち家がある場合は家を処分されますが、申立後すぐに競売されるわけではありません。

早くても半年くらいはかかるので、競売が決まるまでは住み続けられます。その間に借家を探しながら、引っ越し準備をすることになります。

生活に必要な家財や家電、衣服などは差押えられないので、住む家があり収入があるなら、生活に困ることはありません。

破産後の生活設計ができていれば、自己破産する前の不安が嘘のように、穏やかな日常になります。

特に、精神的な苦痛から解放されるので気持ちが楽になりますよ。

自己破産は借金が返せない人なら誰でもできる?

自己破産は日本国民なら誰でもできます。ただ、無条件にできるわけではありません。

自己破産は、借金の返済が支払不能になった人か、債務超過になった人が利用できる債務整理の方法です。

要するに、収入や手持ちの資産を処分したお金では、返済しきれなくなった人です。

借金の原因によっては自己破産できない

では、どんな借金でも返済できなくなったら自己破産できるかというと、借金の原因によってはできないこともあります。

  • ギャンブルや遊興費など浪費のための借金
  • 返せないと分かっていてした借金

自己破産をすると、貸主である債権者は大きな損をすることになりますから、浪費に使った借金まで帳消しにはしてくれないのです。

また、返済できないことが分かっているのに借金をして、一度も返さずに自己破産するなんてことはできません。そのような行為は詐欺になるからです。

ただ、借金に苦しむ人の多くが、浪費が原因の借金を抱えているのも現実。絶対にできないということはなく、裁判官の裁量で決まることもあります。

自己破産手続は、弁護士に依頼することが殆どです。自己破産できない依頼なら断られることでしょう。

弁護士に依頼したからといって100%ではないですが、負債や財産、返済不能になった経緯など嘘偽りなく申し立てまでこぎつけたなら、自己破産できることが殆どです。

いずれにせよ、自己破産できるかどうかは裁判所の判断になるってことです。

前回の自己破産から7年以内はできない

過去に自己破産している場合は、免責後7年以内に自己破産しても免責許可されません。

7年過ぎていれば、何度でも自己破産することは可能ですが、繰り返して自己破産することで裁判官の心証は悪くなります。

2回目以降の自己破産は、審査が厳しくなると思っていた方が良いですね。

自己破産手続きはどうすれば良いのか

自己破産は裁判所を通して行われる債務整理なので、申立書類もたくさんあり、法的知識も必要になってくるので、弁護士に依頼するのが一般的です。

もちろん、できる人は自分で申立書を作成して裁判所に申立てればできます。

破産申立書に不備がなく、破算手続きが開始決定すれば、裁判所の方で淡々と事務的に手続きが進みます。

重要なことは、嘘偽りなく申立書を作成することです。不利になるかもしれないと故意に隠すと失敗することもあります。

不利に思うことでも、弁護士に正直に話すことで、弁護士からアドバイスしてもらえます。

自己破産で整理するのは全ての借金です。

たとえば、保証人に迷惑がかかるからとその借金だけを自己破産の対象から外したいこともありますが、一部の借金だけを外すことはできません。

もし、故意に借金を隠すと、借金の支払いを免除してもらえなくなります。

自己破産手続は2段階ある

自己破産の手続きは、破算手続きと免責手続きの2段階あり、両方か許可されなければ自己破産する意味がありません。

破産手続とは

破産手続とは、収入や資産を処分したお金で借金などの負債が支払えないと認めてもらう手続きです。

破産決定されなければ、免責手続することができません。

免責手続とは

破産決定されると、免責手続に進みます。

免責決定されれば、借金の支払いが免除され、実質、借金が帳消しになるのです。

自己破産には2通りある

自己破産手続は、「同時廃止」「管財事件」の2通りあります。

個人の場合は「同時廃止」になる場合が多いですね。

同時廃止事件とは

同時廃止事件になるのは、処分する財産がない場合や、免責不許可事由の疑いがない場合です。

管財事件とは

持ち家や車、生命保険、株券など、処分して現金を得られる資産がある場合は、管財事件になります。

借金の理由が浪費によるものだったり、不当行為の疑いがある場合は、財産がなくても管財事件になります。

同時廃止になるか管財事件になるかは、裁判所の判断になります。

自己破産のデメリット

自己破産すると借金を帳消しにできるのですから、それに見合うデメリットがあります。

自己破産の主なデメリット

  • 全ての財産を失う
  • 一定期間、借金ができなくなる
  • 一部の職業制限がある
  • 保証人に迷惑がかかる
  • 家族を巻き込むことがある

全ての財産を失う

全ての財産といっても、20万円以上の資産価値があるものに限られます。

家や土地などの不動産、車、株などの有価証券、生命保険の解約返戻金、20万円以上の預貯金、99万円を超える現金などです。

家財や家電など、最低限の生活必需品は処分されません。

自己破産したら、家の中まで踏み込まれて差押えの札を貼られるイメージがあるかもしれないですが、そんなことはされないです。

一定期間、借金ができなくなる

自己破産をすると信用情報機関に金融事故として記録され、5年~10年間保存されます。

世間で言われている「ブラックリスト」になるのです。

金融業者に借金の申込みをすると、業者は信用情報機関を調査するので、ブラック情報が載っている間は審査に通らないのです。

一部の職業制限がある

自己破産の申立をして破産手続が開始してから免責許可がおりるまでの間は破産者になります。

破産者は、弁護士や会計士などの士業、保険募集人、警備員などの職業に就くことができなくなります。

自己破産の申立をしたら、一時的に職業を失うことになりますね。

保証人に迷惑がかかる

自己破産した本人は借金の返済を免除してもらえますが、保証人の支払責任は免除されないので、保証人に支払い請求が行きます。

保証人になってくれる人って、身内など近しい人ですよね。迷惑をかけるのは心苦しいです。

家族を巻き込むことがある

家族が保証人になっていなければ、借金を被ることはないですが、引っ越しが必要になるなどで巻き込むこともありますね。

引っ越し先によっては、子供が学校を転校しなければならないこともあります。

自己破産のメリット

自己破産の最大のメリットは、借金の返済を免除されること。

実質、借金が帳消しになるってことです。

あと、デメリットであげた「借金ができなくなる」ことも、考えようによってはメリットになります。

最長10年間、借金に頼れないことで、経済生活の立て直しをすることができます。

自己破産で免責されない負債がある

自己破産しても免責されず、支払わなければならない負債があります。

  • 税金
  • 罰金
  • 損害賠償金
  • 養育費(離婚した場合)
  • 婚姻費用

自己破産の申立前に支払える余裕があれば、支払っておくことで、その後の生活資金から捻出するお金を減らすことができます。

支払っても良いかどうか、弁護士に相談してみると良いです。

自己破産で誤解されやすいこと

自己破産のデメリットの中で、誤解されやすいことがあります。

間違った認識をしていたために、自己破産することを躊躇ってしまい、決断の時期を逃してしまうこともあります。

誤解されやすい自己破産のデメリット

  • 住民票や戸籍に記録される
  • 選挙権がなくなる
  • 会社をクビになる
  • 就職できない
  • 家を借りることができない
  • 海外旅行に行けなくなる

住民票や戸籍に記録される

自己破産したことが住民票や戸籍に記載されることはありません。

選挙権がなくなる

自己破産しても選挙権には全く影響がありません。

会社をクビになる

自己破産したことを理由に解雇されることはありません。

会社から借金している場合は、自己破産したことが会社に知れてしまいますが、そうでなければ自分で言わない限り会社に知れることはないでしょう。

就職できない

履歴書に自己破産したことを書く必要はないので、自分で言わない限り知れることはなく、就職に影響することはないです。

知れてしまうと印象が悪くなるので、わざわざ言う必要ないです。

家を借りることができない

家の賃貸契約は、保証人が必要な場合が多いですよね。

家主によっては、保証会社を利用していることがあり、保証会社の審査が通らないために借りられないことがあります。

なので、保証会社を利用していない物件であれば、問題なく借りることができます。

海外旅行に行けなくなる

破産手続中は無断で海外旅行に行くことが制限されますが、手続きが終了すれば制限なく海外旅行に行けます。

免責されなかったらどうなる?

自己破産手続には、破算手続きと免責手続の2段階あり、免責が決定されれば借金の支払いが免除されます。

なので、免責されなかった場合は、借金は元金はもちろん、将来の利息、未払い利息、遅延損害金など全て元のまま残ります。

また、免責されなければ、破産者のままになるので、職業制限などを復権できないことになります。

破産者は悪質業者に勧誘されやすい

自己破産をすると、申立時と免責が決定したときの2回、官報に掲載されます。

官報とは、国が発行する情報誌のようなもので、官報書店のみで扱っているので、一般人が見ることはまずありません。

ですが、違法な貸し付けを行う闇金融業者は、官報をチェックしています。

自己破産の申立をした人は、お金に困っているけれど正規の金融業者から借入ができなくなっていると判断するからです。

そして、「審査不要でOK!」「ブラックでもOK!」などと、甘い勧誘をしてくるのです。

ヤミ金に手を出してしまうと、自己破産どころではなくなるので、絶対に手を出さないこと。勧誘されても無視しましょう。

自己破産以外の債務整理

借金が返済できなくなったとき、自己破産以外にも借金を整理する方法がありますが、あまり知られていません。

厳密にいうと、自己破産以外の債務整理は、支払不能になってしまってからでは利用が難しい方法です。

ですが、自己破産するしかないと思っていたのに、弁護士に相談したら他の方法で対処できたということはよくあります。

自己破産以外の債務整理は、「任意整理」「個人再生」「特定調停」の3通りです。

他にも条件が揃えば、「過払い金返還請求」や「任意売却」で、借金問題が解決できることもあります。

任意整理

任意整理は、金融業者などの債権者と直接交渉で借金の減額や、長期分割払いで月々の返済額を調整する方法です。

和解交渉で決まった額を、3年~5年の分割支払いで完済できるだけの安定した収入が必要になります。

借金の元本までは減額されませんが、将来の利息や未払い利息、遅延損害金などをカットしてもらえます。

相手によっては、こちらの言い分どおりの交渉に応じない金融業者もいます。

弁護士や司法書士に依頼した方が、有利に交渉できますが、100%成功するわけではありません。

個人再生

個人再生は、裁判所を介して借金を大幅に減額できる債務整理の方法です。

また、住宅ローン支払い中の場合、住宅ローンのみ個人再生の対象から外すことができるので、家を守ることができます。

借金額によって減額幅が異なってきますが、元本が最大10分の1まで圧縮できるのです。もちろん、将来の利息や未払い利息、遅延損害金などもカットされます。

個人再生で借金の減額が決定すれば、3年~5年の分割支払いで完済しなければなりません。将来も安定した収入が必要ですね。

借金の支払いがゼロにはならないですが、自己破産に近い状態になります。

借金の元本を大幅に減額するので、保証人が付いていれば迷惑をかけることになりますね。

特定調停

特定調停は簡易裁判所に申立てて、自分で手続きする債務整理の方法です。

任意整理とよく似た方法で、債権者との和解交渉で月々の返済額を調整することができます。

調停委員の仲裁で交渉するので、自分で直接交渉することはないですが、任意整理ほど減額することは難しいです。

申立書の作成や、簡易裁判所へ出向く手間をかけることができるなら、わずかな費用で手続きできます。

和解交渉した金額を毎月遅延なく支払えるだけの安定収入がないと、特定調停を利用することはできません。

過払い金

過払い金とは、2010年以前に高利率の利息を支払っていた場合に発生する払いすぎた利息です。

法改正後の利息制限法に基づいて計算し直した利息との差額を返還請求することができるので、その返還金で借金を減額できることがあります。

債務整理をする際に、過払い金があれば引き直し計算されます。

過払い金返還請求だけをしたい場合は、完済後にした方がよく、完済後10年以内であれば手続きできます。

任意売却

住宅ローンの返済が困難になってきたとき、住宅を手放しても良いなら金融機関と相談して、家を売却して住宅ローンの返済に充てることができます。

滞納し続けていると強制執行で家が競売されてしまいますが、その前に任意売却できれば競売するより高額で売却できます。

売却額が住宅ローンの残額より少ない場合は、残金の支払いが残りますが、高く売ることができれば借金がなくなります。

売却先によっては、家賃を払うことで済み続けることも可能な場合もあります。

自己破産まとめ

借金の返済ができなくなったとき、自己破産を検討することになります。

自己破産できるのかどうか、どのように手続きが進むのか、破産後の生活はどうなるのかなど、不安だらけになります。

ですが、自己破産の申立後に得た収入や、自己破産しても残せる自由財産があれば、当座の生活に困ることはありません。

借金の支払いを免除してもらうのですから、それなりのデメリットは避けられないですが、経済面をリセットして再スタートできます。

自己破産後の生活設計が立てられないまで先延ばしすると、破産後の生活が悲惨になります。

できれば自己破産に至るまでに、他の債務整理で解決した方が、リスクは少ないので弁護士などの専門家に相談してみると良いです。

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